木質建材事典
天然木の杢
個性的で美しい杢を活かした加工木材の数々
木は繊維の並び方によって、製材した際に表面に現れる独自の文様を備えています。これを「杢(もく)」と呼び、装飾性が高く評価され、建物の内装デザインに生かされることがしばしばあります。
個性的で美しい杢を活かした加工木材も数多く生産されており、さまざまな現場で使われています。代表的な杢を紹介しています。
注記…以下の杢は一例であって製品(原木の品質、塗装等の加工)、産地等によって異なることにご留意ください。
カバ
カバノキ科シラカンバ属
(BETULACEAE, Betula L.)
有用材としてはウダイカンバ(B. maximowicziana Regel)
カバは総称
ブナ
ブナ科、ブナ属
(FAGACEAE, Fagus L.)
ブナノキ(F. crenata Blume)
ホワイトオーク
ブナ科、コナラ属
(FAGACEAE, Quercus L.)
ホワイトオーク(White oak)(Quercus spp)は、北米産
Q. alba L.を主とする数種のこと。
ニレ
ニレ科、ニレ属
(ULMACEAE, Ulmus)
ハルニレ(アカダモ)(U. davidiana Planch.var.japonica Nakai)
メープル
カエデ科、カエデ属
(ACERACEAE. Acer L.) 日本産ではイタヤカエデ(Acer mono Maxim.)、 北米産では、数種が有用材(通称Black or Red Maple)
ナラ
ブナ科、コナラ属
(FAGACEAE, Quercus)
ミズナラ(Q. crispula Bl.)、コナラ(Q. serrata Thumb.)
シラカバ
カバノキ科、シラカンバ属
(BETULACEAE, Betula L.)シラカンバ(B. platyphylla Sukatchev var.japonica Hara)
チーク
クマツヅラ科(VERBENACEAE)
チーク(Tectona grandis L.f.)
シナ
シナノキ科(TILIACEAE)
シナノキ(T. japonica Simonkai)
カリン
マメ科(LEGUMINOSAE)
ヤエヤマシタン、カリン(Pterocarpus indicus Willd.)
秋田杉
スギ科(TAXODIACEAE)
スギ(Criptomeria japonica D. Don、ウラスギ (var.radicans Nakai))
スプルース
マツ科、トウヒ属
(PINACEAE, Picea)
トウヒ、(日本産、欧州産、北米産など) White spruce, Sitka spruce, Red spruce....
米松
マツ科、トガサワラ属
(PINACEAE, Pseudotsuga)
タモ(玉杢)
モクセイ科(OLEACEAE)
ヤチダモ(Fraxinus japonica Bl.)
トチちぢみ
トチノキ科(HIPPOCASTANACEAE)
トチノキ(Aesculus turbinata Bl.)
ウォルナット
クルミ科(JUGLANDACEAE)
ウォルナット(Juglans nigra L.)
クロクルミ、Walnut, Black walnut, American walnut
セン(玉杢)
ウコギ科(ARALIACEAE)
セン、ハリギリ(Kalopanax pictus Nakai)
参考:世界の有用木材300種、(社)日本木材加工技術協会