木質建材事典
特殊合板
天然木化粧合板・特殊加工化粧合板について
合板のうち、普通合板の表面に
- 美観を目的とした貼り付け(オーバーレイ)
優良天然木を切削した薄板
木目や抽象柄のプリント
合成樹脂 - 塗装などの表面加工
を施したものは特殊合板(二次加工合板ともいう)に分類されます。
用途に応じて木材の持つ欠点を改良したり、用途に応じた性能をプラスした材料となっており、厚さに比べて強度があり、伸縮や狂いが小さいなど多くの長所を持っています。
●主な使用目的(目的に合う材料を選定する必要があります)
- 応接室の壁面など美観が必要な部位
- テーブルトップ、カウンターなど丈夫で美しい表面が必要なもの
- 防火性能が必要とされるもの
- 食器棚、ベビーダンスなど低ホルムアルデヒドが要求されているもの
普通合板に銘木単板(ツキ板)を貼り合わせた「天然木化粧合板」が生産されたのが始まりで、戦後、タンスの扉、テーブルトップなどの家具用資材として人気を集めました。
1950年代以降、合成樹脂が開発されたのに加え、印刷、塗装などの加工技術の発達、そして接着剤の開発によって、多種多様な特殊合板が生産されるようになりました。
家具から建築用まで幅広く使用され、時代の流行や消費傾向などに応じた製品が続々と開発されました。現在もさまざまな製品が造り出され、低ホルムアルデヒド、化学薬品系の塗料不使用といった、人や環境にやさしい材料が主流となっています。
天然木化粧合
特殊加工化粧合板
JAS規格では加工の方法と用途に応じ、次の2種類に分類されます。
●天然木化粧合板
美観をよくするために銘木単板(ツキ板)を貼り合わせたもので、タンス、座卓などの高級家具材や内装材として使われます。
主な原木
国産材/ケヤキ、ナラ、セン、カバ、キリ、ヒノキ、スギなど
外国産材/チーク、ウォールナット、コクタン、シタンなど
●特殊加工化粧合板
- 合成樹脂化粧合板
メラミン・ポリエステル・特殊シート・ジャリルフタレート・ベンゾグアナミン樹脂などをオーバーレイ木目柄や単色の美しさを出し、高度の接着の程度、耐熱性、耐磨耗性、耐候性などを備えた優れた建築、家具材料です。 - プリント合板
銘木の自然な美しい木目や自在な色柄を、高度な印刷加工技術により再現 - 特殊シート化粧合板
塩化ビニル樹脂あるいはオレフィンシートをオーバーレイ加工
硬質、半硬質、軟質など塩化ビニル樹脂の特性を生かし、表面の質感や手触りの異なるものが豊富。
建築物の内装、家具などに使用されます。
JASによる分類の詳細は木質材料のJASについてページをご覧ください。